看護師の仕事について

人の命と心に寄り添う、看護の力。

看護師の仕事は、単に医師の補助をするだけではありません。
患者さんの心と体に寄り添い、日常生活の支援から医療処置、健康づくりまで幅広く関わる、社会に欠かせない専門職です。
病院や施設だけでなく、地域や学校、災害現場、海外など、活躍の場は多岐にわたり、看護師一人ひとりの力が人々の暮らしを支えています。
看護師は国家資格であり、確かな知識と技術、そして思いやりの心をもって、生涯にわたって活躍できる魅力的な職業です。
本学科では、実践力と人間力を育む教育を通じて、未来の看護を担う皆さんを全力で応援します。

看護師の仕事

1.医師等が患者を診療する際の補助

看護師の仕事は、傷病者、または褥婦(出産後の女性)に対し療養上の世話や、診療の補助を行うこととされており、医療、保健、福祉などの場で次の3つの業務を行います。看護師は、医師の診察や治療がスムーズに進むよう、さまざまな場面でサポートを行っています。体温や血圧の測定による体調のチェック、注射や点滴などの処置、検査に必要な採血や検体の採取、さらに診察時には医療器具の準備や患者さんの体位調整なども担います。これらの仕事はすべて、患者さんが安心して医療を受けられる環境を整えるために欠かせない、大切な看護の役割です。

2.病気や障害のある人たちの日常生活における援助

看護師は、病気や障がいによって日常生活に不安を抱える方々に寄り添い、さまざまな場面で支援を行います。
たとえば、食事や入浴の介助、排せつのサポート、着替えや体の向きを変えるお手伝いなどを通して、快適で安心できる生活を支援します。
さらに、日常の声かけや見守りも欠かせない支援のひとつです。ちょっとした言葉や表情から体調や気分の変化を察し、「今日は調子どうですか?」とやさしく声をかけながら、信頼関係を築いていきます。
こうしたケアは、患者さん一人ひとりの生活を大切に考え、その人らしく過ごせるように支える、看護師ならではの大切な仕事です。

3.疾病の予防や健康の維持促進を目的とした教育

看護師は、病気の治療だけでなく、地域や学校、職場などで健康を守る活動も行っています。
たとえば、保健センターや学校での健康教室では、食事・運動・睡眠など生活習慣のアドバイスを行い、健康的な暮らしをサポートします。
地域の集会所やイベント会場では感染症予防の指導を行い、手洗いやマスクの使い方、ワクチンの大切さを伝えます。
公民館やショッピングモールなどでの健康相談会では、血圧測定や体調チェックを通じて、病気の早期発見や生活改善のきっかけをつくります。
また、病院や訪問看護の現場では、患者さんや家族にセルフケアの方法をわかりやすく説明し、自分で体調を管理できるよう支援します。
このように、看護師は地域のさまざまな場所で、人々の健康を支えています。

看護師になるには

看護師になるには、国家資格である「看護師免許」の取得が必要です。そのためには、看護師養成機関(短期大学・専門学校・大学)で3年以上学び、基礎医学・看護技術・臨地実習などを通じて、専門知識と実践力を身につけます。
看護師国家試験に合格すると、看護師として働く資格が得られます。

看護師が活躍する場

看護師の活躍の場は年々広がっており、自分の興味やライフスタイルに合わせて働き方を選べる時代になっています。

●病院・診療所
けがや病気の治療を受ける人のために、医師と連携して看護を行います。外来・入院・手術室・救急など、さまざまな部署で専門的な役割を担います。

●訪問看護・在宅医療
病院ではなく、自宅で療養する人の家を訪ねて、体調のチェックや医療処置、生活のサポートを行います。高齢化社会でますます必要とされています。

●高齢者施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設など)
高齢の方が安心して暮らせるように、健康管理や日常生活の支援を行います。入居者と長く関わることで信頼関係が深まります。

●障がい者支援施設
障がいのある方の健康を守りながら、生活の自立を支援します。医療的ケアとともに、心のサポートも大切な役割です。

●保育園・幼稚園・学校
子どもたちの健康管理やけがの手当て、感染症の予防などを行います。成長を見守りながら、安心して過ごせる環境をつくります。

●企業・工場(産業看護師)
働く人たちの健康診断や体調管理、けがや病気の対応を行います。職場の安全やメンタルヘルスにも関わる重要な役割です。

●地域包括支援センター
地域の高齢者やその家族の相談にのり、介護予防や健康づくりを支援します。地域に根ざした看護の力が求められています。

●保健所・行政機関
地域の健康づくりや感染症対策、母子保健などに関わります。地域全体の健康を守る公衆衛生の専門職として活躍します。

●災害支援・国際医療協力
地震や台風などの災害時に被災地で医療支援を行ったり、海外で医療が不足している地域に行って看護活動を行うこともあります。

●製薬会社・医療機器メーカー
新しい薬や医療機器の開発に関わったり、治験のサポートを行います。医療の進歩を支える裏方としての看護師の力が活かされます。

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